藤枝で練香作りを体験できるところはあまり多くないそうで、そんな貴重なプログラムが 5月9日に蓮久寺で行われました。
最初は案内人である川口石材店の店主・川口さんからお香についてのお話を。お香には、直接火を付けるタイプと、常温で香るタイプのもの、間接的に熱を加えるものがあると言います。
直接火を付けるものはお線香などがあり、常温で香るものには塗るお香と書いて「塗香(ずこう)」と呼ばれるものや、手紙に香りを付ける「文香(ふみこう)」というものがあるそうです。
今日は、間接的に熱を加えて楽しむ「空薫(そらだき)」を楽しむプログラム。
早速、用意された10種類の粉を順番に混ぜ合わせていきます。さわやかな甘い香りがする白檀や、安息香などを入れていく中で、川口さんもクセが強いと言っていた甘松は、好き嫌いがはっきりわかれる強い香り。動物的な香りといいますか、それでいて何度もかぎたくなる不思議な香りでした。配られたお香の粉は、香りによって全部入れる人もいれば、好みで少なくしたりと調整しながら煉香を作り上げていきます。
他にも正露丸の香りがする龍脳という粉を入れましたが、この粉は防虫効果もあるのだとか。さまざまな効用があるお香の粉を混ぜ、最後に防カビ用の炭粉を入れると真っ黒の粉になります。それを丸い形に整えて完成。
できた煉香は、香炉を使って香りを楽しみます。まず、炭をおこし、香炉に入れた灰の上に置いてあたためます。熱くなった灰にお香を乗せ、じんわりとあたたまった煉香から香りが漂い始めました。
この香りが緑茶と合うと川口さん。最後は心地よい香りが漂う本堂で、藤枝のお茶と春らしい色合いの練り切りをいただきました。
終了後、「来年もやるなら予約したい!」という声がさっそく上がるほど、参加者のみなさん、とても楽しまれていました。(やまだ)